ずっと大好きです
出会い
キーンコーンカーンコーン・・・。

「やばいーっ遅刻だぁ!走れーっ!」

西内桃華。15歳。今日は始業式!

こんな大事な日に遅刻するなんて!



職員室前ということにも

おかまいなしに、あたしはただ走る。

「こらー西内!廊下は走るな!」

・・・え?この声はひょっとして。

「生徒指導の山口先生ーーーっ?!」

ヤバいヤバい、逃げなきゃ!

逃げ足だけは速いあたしは、必死で走る。



「ちょっと待て。お前遅刻だな?!放課後居残りだ!」

そんな頑張りもむなしく、ほんの数秒で捕まったあたしは

そんな言葉を受ける。



「・・・はい。」


あたしの返事を聞き、満足げにうなずいた山口先生は
そのまますたすたと歩いて行ってしまった。


「っはああああ。」




思わずため息が出る。


「うーん・・・。ブローに時間がかかりすぎたのかなあ?
それとも化粧?久しぶりにみんなに会えるし、今日は
いつもよりちょっと気合い入れてみたしな~!」


教室に着くまでの間、私はぶつぶつと

ひとりごとをつぶやく。













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