鯖を読んでる転校生=社長!?
あたしは手で光河を追い払う真似をする。

「悪いけど結輪から目は話せないよ」

チュッ

微かに触れた唇。

「ちょっ!風邪うつるから」

「うつされて結輪が治るならいいよ。俺は強いから風邪でも仕事出来るし」

意地悪な笑みを浮かべてパソコンに目を通す。

「ったくもぉ!仕事に集中していいのに!」

あたしはふくれた。

「ありがとう」

光河はあたしを見て微かに微笑む。

その顔に赤面してしまうあたし。

「おいおい、熱上げるなよ」

赤面に気づいた光河がまた意地悪してくる。

「うるさいっ!もぉパソコン切って!ほら、寝るよ!」

意地になったあたしはパソコンを少し引っ張って奪おうとする。

「あ、バカ!切れる切れる」

「じゃあ早く置いて。でないとあたしは起きてるからね」

あたしの押しにすぐ折れてわかったわかったと言いながらパソコンを切った光河はやっぱりあたしの何倍も大人だ。

あたしはやり方が小学生。

我ながら笑えたけど光河を休ませる事が出来て満足。

あたしは光河が横になったのを見て、横になり、光河の手を握った。

< 176 / 229 >

この作品をシェア

pagetop