夢花火
出逢い
気がつくと、さっきと変わらず森の中にいた。
でも、目の前にあった神社は消えていた。
それに…
「猫が…いない…?」
辺りを見回すと、猫の姿はどこにもなかった。
私一人、森の中にポツンと立っていた。
「何だ…猫追いかけても、水野に会えないじゃん…」
少しがっかりしながら、家に帰ろうとした。
でも、ここは森の中。
無我夢中で猫を追いかけてここまで来たんだから、道なんて分かるはずがない。
「はぁ…どうしよ…」
とりあえず、歩き出した。
誰か人は…
いないのだろうか。