夢花火




カラッと、乾いた音を立てながら襖を開く。




「土方。終わった」



「早かったな。…まあ座れ」




そう言われ、私はその場に座った。




「…あの時の約束、覚えてるか?」



「え…?」




約束…?



…あぁ、あれか。





「手紙を一緒に掘り起こそうってやつか?」



「まぁ、それもあるけどな。あそこの桜を、一緒に見ようって約束しただろう」





そういえば、そうだった。





「…もう、そんな時期か」





もう三月に入り、もうすぐ桜が咲きそうな時期に入っていた。





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