【珍獣使い】の憂鬱
Blue:5【決断】
春になりました。


あの誕生日から4ヶ月が経過して、生まれ変わった俺は、まるで生まれたての赤んぼう状態でした。

現在の俺を知っている人には想像もつかないでしょうが、その頃の俺は本当に生後4ヶ月の赤んぼうと同じだったんです。


すぐ泣く。
すぐ、ぐずる。

ジンちゃんがそばにいないと、どうにもなりませんでした。

不安で怖くって、いつもいつも、ジンちゃんばかり目で追っていました。


ジンちゃんは、ああいう性格ですので、俺以外にもたくさん友達がいて、俺の世界が砂一粒ぐらいならジンちゃんの世界は海でした。


それくらいに俺の世界は狭く、ジンちゃんの世界は広かったのです。
< 94 / 145 >

この作品をシェア

pagetop