君にすべてを捧げよう
口に出せば、もう止めることはできなかった。
動揺している蓮に、うわ言のように『好き』を繰り返した。


『蓮だけなの。蓮だけを見てたの。好き。好きなの……』


高ぶって行く想いは涙も誘い、あたしはぼろぼろと泣きながら気持ちを吐き出していた。
思えば、子供が駄々をこねるのと似ていたと思う。
想いをただ一生懸命伝えていた。


『蓮が好き。大好きなの。す』


止まることを知らなかった告白を止めたのは、蓮の口づけだった。
気が遠くなるほどの長い間あたしの唇を塞いで、蓮は離れた。

今まで経験したことのない距離に、蓮の顔がある。
涙で滲んだ瞳でも、蓮の瞳の奥に火が灯ったのが分かった。


『蓮が、好きなの』


ぽつんと呟く。蓮は一度だけ強く瞳を閉じて、でもすぐにあたしをその瞳の中に戻してくれた。


『蓮が、好き』
『もういい。わかった』


再び、唇が重ねられた。
今度は、ひんやりした舌がぺろりと唇を舐め、中に差し入れられた。
舌を絡ませ、頬裏を舐める。
手は服の中に滑り込み、下着をつけていない胸元に辿り着く。
膨らみを強く揉みしだかれ、重なった唇の隙間から声が漏れた。


『ふ……、は……っ』


初めての感覚に、初めての声が溢れる。
いつもはパソコンのキィを流れるように叩く指先がその先端を摘み上げると、背中がしなった。


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