君にすべてを捧げよう
あたしのベッドの脇に座り、頭を撫でる。
温かなそれは涙を誘い、あたしは布団にもぐりこんだ。


『寝る』

『ああ、そうしろ』


嗚咽を堪え、目をぎゅっと瞑る。
蓮の気配を感じながら、眠りについた。

雨に打たれた体は思いのほか疲弊していたらしく、夜中まで高熱が続いた。
蓮は今までのことが嘘のようにかいがいしく世話をしてくれて、あたしの傍から離れずにいてくれた。


『めぐる。気分はどうだ?』
『めぐる、水飲むか?』
『めぐる、熱計ろうな』


残酷なまでに優しくて、あたしは次第にそれに耐えられなくなってきた。
我慢の糸が切れたきっかけは、蓮の言葉だった。


『めぐる。どうしてあんな雨の中うろついてたんだ』


答えられるはずがない。
蓮の胸の中にいる人には敵わないと痛感したからだ、なんて。

代わりに、秘めていた想いを口にしていた。


『蓮が、好きなの』

『は?』


蓮の顔に、驚きが広がる。


『蓮が好きなの。大好きなの』

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