君からはもう逃げられないっ!!
*第一章*

*出会いと始まりは春からで



「……好き……。付き合って!?」

「ごめん。悪いけど、君に興味ない」

あぁ……。

また今日も。

キツイ言い方で同じセリフで淡々と無表情で言い放つ。


(また……ですか……)

うるっとした瞳が瞬く間に、涙がたまっていき、

1年上の先輩であろう女子生徒は走り去っていた。


ぼーっとその女子生徒を眺める。


するとたった今、愛の告白を断った張本人がこちらに振り向き、駆け寄った。


キャラメルブラウンの髪がふわりと風に靡く。

木の葉や木々たちがまるで彼を祝福しているかのように舞い散り、
風は、彼と会話でもしているかのように包み込む。

その周りだけが異様にーー

時が止まっているように思えてしまう。

黒から白に染め上げていくように、闇から光へとゆっくりと引き上げていくようなそんな温かさを持ち合わせた不思議な雰囲気。

それをなせてしまうのは、彼の容貌からもあるからかもしれない。


しみ、にきび一つもない、透き通る白い肌が、それをさらに際立たせていく。

その凄絶な美しさは、見慣れている人でも目を奪われていくくらいだ。


「今日も可愛い先輩でしたのに……」

「そうだった?」

「……」








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