となりどおし
実空もあたしも帰宅部にした。
やりたい事が見つからなかったから。
実空は小学校の頃は、ミニバスをしていたけど膝を壊したきり一度もボールを触ってないんだとか。
それを聞いたときは、ゾクッとした。
好きな事を嫌いになるのは、すごくすごく辛いこと。
それを教えてくれたのは、実空だった。
「入学テスト、明日だねー。あたし大丈夫かな…」
「実空頭良いじゃん!!あたしが大丈夫じゃないよ。」
「凛の頭の悪さはちょっとやばいけど…(笑)」
「冗談でも言わないで!!」
耳をふさぐふりをしたり楽しくお喋りしていたとき。
ガラガラ
「キャー」
女子たちの悲鳴のような声。
「え…なに??うるさいんだけど。」
「どうしたんだろね。」
2人で顔を見合わせたとき。
「おーい、相川!」