鬼灯ノ夜叉




あれから十年。
僕は【太陽の家】で生活している。

施設に預けられたときは幼かったから分からなかったけど、今なら分かる。
僕は母に棄てられたんだってこと。
あの時離してしまった手はもう二度と僕を迎えには来てくれないってこと。


そして、棄てられた理由も――。



「ただいま。…ふぅ、暑かった」

「おかえりなさい。ごめんね、学校帰りで疲れているのに買い物頼んじゃって」


香都子【かつこ】先生は今日も笑って僕を迎えてくれた。

一本でまとめられた柔らかなウェーブを描くロングヘア。
黄色いエプロンが昔からの先生のトレードマーク。


「ううん。大丈夫だよ先生。皆が喜んでくれたら僕も嬉しいし」


両手いっぱいに抱えた買い物袋をテーブルに降ろして中身を冷凍庫に仕舞っていく。
中身は色とりどりのアイスだ。


「せんせぇー!ゆき帰って来たの?」

「あいす!あいす食べたいあいす!」

「ずっりぃ俺が一番に食べる!」

「私にもちょうだいよ~」


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