奇跡
『ほなそろそろ行こか。休憩終わるやろ?』



『そですね。』



『おっちゃん!ごちそうさまー!なんぼ?』



真也はごく自然に、おじさんに一万円札を手渡した。



『あっあたしの分…』



『ええって。18の子に金なんか出さされへんわ笑』



『でも…』



『こんぐらい気にせんでええって。まぁサリーが出世したら何十倍ってぐらいのモン奢ってもらうけどな笑』



『闇金みたいですね笑。ごちそう様です。』



『はいよっ。』






この日から



定食屋“よっちゃん”の“おにぎり定食”は



あたしの大のお気に入りになった。



…真也に誰にも教えるなって言われたから



出入りする時は一人でちょっと恥ずかしいけど…
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