瞬きさえも忘れていた。
パートの奥さまたちに体調が悪いと伝え、彼女たちより先に自分だけ部屋へ戻った。
畳のそこには既に布団が二組敷いてあり、崩れるようにその上へ転がった。
お風呂、入っておいた方がいいかな。
いっそ汚い身体のまま甲本さんの部屋へ行って、ちっぽけな嫌がらせをしてやろうか……。
何だか投げ遣りな気持ちになっていた。
私の頭なんかじゃ、どんなに考えても最良の答えが出てくるはずもなく。
岩本さんのために私が出来ることって何だろう。ただそれだけに思考を巡らせば、自分の身体なんかどうなってもいいと思えてくる。
考えることに疲れて、いつしか浅い眠りに落ちていた。
誰かが部屋に入って来た気配に、薄っすら意識が引き戻される。
瞼を無理矢理に押し上げれば、ぼんやりと霞んだ視界に人影が映った。
私と同室の樽井さん……。
樽井さんは、私の傍に膝を落として覗き込むように見下ろし、
「大丈夫?」
と心配そうに尋ねた。