星の輝く夜空の下で
放課後、教室には春実のグループがいた
楽しそうに話しているようには見えなかった
少なくとも春実は
「春実、これちょうだい」
ボス的な女が春実のポーチからマスカラを取り出した
「…うん」
「このマスカラいいやつじゃん、春実には勿体ない」
「そうだね…」
春実は苦笑いをした
「春実メイク下手だよね」
「下手かな…?」
「あたし達がやってあげる」
その頃、夏芽は携帯を机の中に置き忘れたのを思い出した
もって帰らなきゃダメな気がする
と思い教室に戻る夏芽だった
夏芽が教室に近づいた頃、教室から笑い声がした
「不細工~!!」
「春実全然かわいくなーい」
「高校デビューとか笑えるんだけど。あんたは中学校の時みたいに不細工キャラやっとけばいいんだよ。あたしより可愛くなるなんて許せない」
夏芽は教室のドアを蹴り開けた
「おい、臭いんだけど」
「またてめぇかよ」
「浅岡さん…」
「柚木さんに会いに来た訳じゃないから。携帯忘れたから取りに来ただけ」
夏芽は自分の机に行き携帯を取りだし教室を出ようとした
「春実、ざんねーん。春実が嘘ついたからじゃない?」
女たちは笑った
春実は一人だった
友達はうわべだけ
近くにいても遠く離れた心
生きてる意味を教えて
春実の目からは大粒の涙が溢れて止まらない