星の輝く夜空の下で


「夏芽、誰と話してんだよ」


夏芽が振り返ると辻本がいた


「いつからいたの?」

「お前が大声で誰かの名前を叫んだのが聞こえたから来てみたら…」


夏芽は言い訳を必死に考えた


うまく思いつかなくて戸惑っていた


「いっちゃえば?幽霊が見えるって」


星夜がそう言った



「でも…」

「言い訳なんかしてこいつが納得するわけないだろ」

「…」


夏芽はまた自分の前から人が消えるのを恐れた


黙りこむ夏芽に辻本は言った


「夏芽…なんか言ってくれよ」


きっと本当を知れば辻本は自分の前から消える

きっと本当の噂が流れて夏芽は孤立する



声を出せない夏芽に星夜が言った


「たとえ辻本がお前を嫌ってお前の事を幽霊が見えるって言いふらしたとしてもお前は絶対一人じゃねぇ。春実ちゃんがいるし、鈴風さんがいる。そして俺は絶対お前を裏切ったりしねぇ」

「…」

「何嫌われることためらってるんだよ。前のお前ならどんといってたろ?」

「…」

「夏芽」


初めて星夜に夏芽と呼ばれて驚いた


顔をあげると星夜はいなくなって
目の前にいるのは辻本だけだった


「あのね、あたし…」


夏芽は本当を伝えた





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