ある小説家の苦悩
「ちょっと、聞いてよ!!ホント最悪なんだから!!」


ヤマモトが去った後の喫茶店で、サイトウはパフェをぐちゃぐちゃと掻き交ぜながらケータイに向かって唾を吐いていた。


「パパの知り合いで、国語の先生がいるっていったじゃん!?それの元教え子が小説家だっつーからさぁ、ちょっとアタシの作品を読ませてみようかなって思ったワケよ」


すでに原形を留めず、液体に変わりつつあるその物体をパクりと啄むと、さらに続けた。


「でも、ぜんぜん的外れなこと言っててさー!ちっともアドバイスになってないワケ!そのくせ話し方は上から目線で偉そうで、ホント、ちょームカついた!」


食するには、スプーンよりもストローの方が手っ取り早いのではないかと思えるそれを、諦めることなくすくいあげながら彼女は続ける。


「オタカくとまってんだよね!小説家ったって、まだまだ無名のくせにさ!」


さらにエキサイトした声音で、彼女は言葉を吐き捨てた。


「ホント、ちょーナマイキ!私より年下の、コギャルのくせに!!」
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