あの空の音を、君に。



「どうした? 涼」



そう言って、私に近づいてきてくれる。



「――なんでもない」



伊月は私の答えをきいて、くしゃっと笑った。


そして、優しく抱きしめてくれた。



「変なやつ」

「変じゃないもん」



――ウソ。


私、変だよね。



ねぇ、伊月。

伊月が前にいると、変になっちゃうんだよ――?


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