あの空の音を、君に。
それからもたわいない会話をし続け、すぐに学校についてしまった。
「涼、明日の天気って晴れ?」
「え?」
「俺、今ケータイもってないから調べてほしいんだけど」
私のカッターシャツの胸ポケットから飛び出ているケータイのストラップを指差す伊月。
私は頷くと同時にケータイを取り出して天気を調べる。
「どう?」
焦らないでほしい。
なんたって、私はケータイにあんまり慣れていないんだから。
「えっと――……明日はずっと晴れだよ」
「なら明日だな。涼は明日、屋上にトランペットもって集合」
「明日!? 土曜日だけど」
「どうせ部活してないから涼は暇だろ」
「伊月は?」
「海に言い訳頼むから」
私が否定できるわけもなく、伊月は「じゃあ」と手をあげて校舎内に消えていった。