禍津姫戦記
「かけまくもかしこきアマツカミ、クニツカミ、八百万の神たち、その従え給う千五百万(ちいほよろず)の神たち……」

 くりかえしとなえるうちに、じんわりとあたりの空気が熱を帯び、姫夜の体はほのかにうす紫の微光を放ちはじめた。姫夜は神降ろしの言霊を唱えつづけた。
 涼やかな声が寄せては返す。
 その言霊に身を委ねるうちに、ハバキの体もわずかに前後に揺れだした。
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