禍津姫戦記
 兵士たちは女神のごとき神司を守る栄えある役目を任されて、誇らしげに頬を紅潮させていた。
 そのなかには、戻る村を失ったヤギラも混じっていた。彼は足をすこし引きずるようになり、戦さでは大した働きはできないとあきらめかけていただけに、守人に選ばれた喜びもひとしおらしかった。
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