禍津姫戦記
 みなの視線が一斉にハバキに集まる。姫夜もハバキをみつめた。
 ハバキは鷹揚な笑みを浮かべてこう答えた。

「俺は今、願をかけているのだ。その望みがかなえば妻(め)をむかえる」

「さすが王となられる方は違いますな。して、その望みとは?」

 ハバキはちらと姫夜を一瞥した。
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