禍津姫戦記
 姫夜は若者たちの話し合いには加わらず、クラトに手伝わせて、地図を作った。老人たちの話をもとに、こちらに山、こちらに川と、絵を描いてゆく。

「これでよろしゅうございますか」

「すばらしい。クラトどのにこれほど絵心があるとは思わなんだ」

「戦さで作り慣れておりますゆえ」

 クラトは照れているのか、淡々とこたえた。
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