禍津姫戦記
姫夜が当惑したように目をしばたいた。ヤギラが憤慨したように云った。
「昨日の大雨で、ハバキさまはカツラギ川の堤が破れぬよう、この里の者たちに土塁を築く指揮をしておいでだったのです。一晩中、あれほど大騒ぎで出入りしていたのに――姫夜さまはお気づきにならなかったのですか」
「それは……知らなかった」
姫夜は赤くなった。
「昨日の大雨で、ハバキさまはカツラギ川の堤が破れぬよう、この里の者たちに土塁を築く指揮をしておいでだったのです。一晩中、あれほど大騒ぎで出入りしていたのに――姫夜さまはお気づきにならなかったのですか」
「それは……知らなかった」
姫夜は赤くなった。