禍津姫戦記
 姫夜はわずかに身を引いた。なにかを、忘れてはいまいか。姫夜は必死にそれを思い出そうとした。

「でも――兄上はどうなるのです? 兄上をおいてはいけませぬ」

「兄?」

 白香姫のほっそりした眉がつりあがった。
 姫夜はいった。

「兄上もきっと神門から逃れたはず。今頃はわたしを探しておられましょう」
< 316 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop