禍津姫戦記
 ――と、その漆黒の闇を宿した瞳が大きくみひらかれた。

「お、お」

 白香姫はゆっくりと、おのれのからだに眼を落とした。脇腹にみるみる真っ赤な血が大輪の花のように広がってゆく。

「姫夜を、はなせ」

 低くうめくハバキの声を姫夜は聞いた。
< 323 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop