禍津姫戦記
「姫夜ッ」

 切迫したハバキの声が山肌にこだました。
 その瞬間、姫夜が眼を見開いた。

「――!」

「眼の前の妖しを見ろ! おまえでなければ駄目だ。呪はおまえを縛っている」
 
 ハバキは力を振り絞って、黒曜石の刀を姫夜の手に握らせた。
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