禍津姫戦記
「――く」

 ハバキは低くうめいて、がしゃりと岩の上に腰をおろした。
目の前が怒りで真っ赤になった。
 だが岩の上に腰をおろしていると――冷たく澄んだ泉から水が溢れ、神の手がささくれ立った心を慰撫していくのを感じた。

「おまえの神と、命とにかけて誓えるか。必ず――」
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