禍津姫戦記
 ハバキの言葉は途切れた。
 姫夜はふたたび、ハバキの手を取って囁くように云った。

「ワザヲギの神と、カツラギの神にかけて誓う。われは、長く汝命(なんじみこと)の門を守り、汝のワザヲギの民たらん。――これはワザヲギの民の正式な誓(うけ)ひの言葉だ。わたしはなにがあっても、ハバキのそばに帰ってくる」
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