うちあげ花火


ついでに薬も。


憂鬱さを改善させる薬だってさっきカウンセラーが言ってた。


いらないけど気休めに貰っておいた。



「お大事に」


私は窓口の人に会釈して、出入り口へと向かった。


彼と目を合わせるつもりはない。


それなのに


「千晴ちゃん。

また学校で会おうね」


反則だ。




こいつは全て分かっていたのかもしれない。




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