放課後センチメンタル


沈黙を破ったのは彼女。

どちらの名で呼ぼうか迷ってるみたいだったけれど、僕は敢えてどっちとは言わなかった。



「学校が楽しいと思う?」



突然の質問。


……彼女は学校が楽しくないと思っているのだろうか。

思わず彼女をじっと見る。



「あ、私はこの学校が好きよ。転校して一ヶ月以上経つけど、クラスの皆は優しいし。楽しいと思ってる」



僕の考えることが分かったのか、彼女はちょっと慌てて言葉を付け加えた。



「……じゃあ、僕が楽しくなさそうにしてると思った?」

「そういうわけじゃなくて……ただ、なんとなくって言うか……気を悪くしたのならごめんなさい」

「いや、大丈夫」



僕はにっこりと笑顔を向けた。


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