ソラナミダ
博信はふう~っと煙をはいて……。
まだ大して吸ってもいない煙草を、灰皿へと……なすりつけた。
「……わこ、お前さ……俺といて幸せか…?」
「……!なんでそんなこと…。」
「お前は俺がいなくても…いつだって笑ってられる。けど、俺はそうじゃない。」
「………え?」
「無理はさせないつもりだったし、お前が必要な時には…いつだって側にいようと思ってた。でも……、一度だってそんな時があったか?食事に行くのも、会いに行くのも、俺ばかりで……。なのに、お前は平然と笑ってるんだ。」
「………。」
「お前にとって俺は…。本当に、必要か?」
「…博…」
「……なんて、格好悪い台詞も、こんな情けない姿も、お前には見せるつもりなんてなかった。ただ……、こんなに近くにいるのに、遠くに感じてしまう。」
「………。」
「余裕なんて、ない。わこはどうしていつもいつも…俺を惑わすんだ。」
そんなつもりはない、と……。
言い切ることができれば、どんなによかったことか…。
でも、そう言えないのは……。
確固たる自信などなくて、そう思わせてしまったこと自体が問題で。
それから……
固着するほど、この恋に溺れることは…なかったから。
適度な距離感。
同僚としての立場。
保つべきものに、捕われて……
深入りしすぎてはいけないと、ギリギリの所で歯止めをきかせて。
「…………。」
その、タガが外れたのは……。
誰に?