ソラナミダ




「……『宇野晴海』…あった。」




仕事帰り…


私は、コンビニの雑誌コーナーに入り浸り状態になっていた。


「すご…どれ見ても載ってるし。」



どうして、気づかなかったのだろう…。


何度も見たことがあった。
CMでもその存在感は抜群で……。


整った顔立ちに、晴海くんの放つ独特のオーラは……


やっぱり、ただ者じゃなかったってことだ。


本人だって気づかないなんて、私くらいかもしれない。


「…子役でデビューしてるんだ。」


雑誌の片隅にある小さなプロフィール欄に食い入る。


「日本〇〇デミー新人賞授賞…。」



そんなすごい人が、私の隣りに住んでいて……


全国ネットで私の話をした…?!


「…んなバカな……。」


恥ずかしくて、次第に顔が熱くなってきた。



どうにも居づらくなって雑誌を閉じると…、


いそいそと店を後にした。








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