ソラナミダ
「…で、突然手の平かえしたかのように承諾して…今に至る訳だ。まだギリギリまで油断できないかもって久住さん言ってた。」



「ふぅ~ん……」



気づけば……



あつあつの春巻きを頬張りながら、美帆がニヤニヤと私を見ていた。




「…なに……?」



「…いやあ、そんなレア情報、随分詳しく教えてもらったんだネ…、久住さんに♪」



「…だって臨時とはいえプロジェクトメンバーに入ったからには……。」



「…それだけ~?」



「だと思うよ。」



「…ホントにそれだけぇ~?」




どうやら……


美帆はいい具合に酔っ払ってきているらしい。




目がトロンとしている。



そういう私も……



気分がいい。




「…おやっさん、ハイボール!」



ベロンベロンに酔っ払って、

ああでもない、こうでもないと小さな口論を繰り返す。


全く……、酒癖悪い二人だ。



「…私が思うに、久住さんはアンタに未練タラタラだねぇ~!」



「…はあ~?」



「もう、目線が全然違うねッ!他の女子を見る時と…アンタを見る時。」



「…そうかあ…?」



「ん、もう!本人に聞いてやろうかあ~?」



「いい、やめて~!」




「…ホラ、携帯貸しな。」



カウンターに置いていた私の携帯を、美帆がいじり始める。




「…ちょっと……。」



「…いいからいいから~!」



「……やっぱダメっっ!!」




美帆から携帯を奪い取った勢いで……


カツンっ!



「………ん?」



その手が…


何かに…


ぶつかった。



「…す…、すみません!」



カウンター席のすぐ左隣り。


私が振り返った先にいたのは…






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