Forever with you
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「…翔太は優しいからね、別れなくちゃいけないの」

「…えっ?」

「この話、もうやめよう。
こんな話をするためにここに来たんじゃない」


ズキン、と俺の心が苦しくなる。



「大切な事を、言いたかったから」

「…?」



梨乃が大粒の涙をこぼす。





そして梨乃は、俺の耳に強く手をあてる。


俺は花火の音さえも聞こえなくなった。





梨乃は何かを言っていた。


でも俺は聞こえなくて、口パクでしか分からなかった。






俺が分かったのは、







"ごめんね"







ただそれだけだった。





「…なんて、言ったんだ?」

「なんでもないよ」



花火は止まらず、綺麗に空で舞っていた。




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