〔完〕 うち、なでしこになるんだから
 週に三回、ゴールキーパーコーチが来るが、今日は来ない日。

 そんな時はゴールキーパーになることが多い子も、他の子と同じメニューをこなす。
 試合前、ポジションが正式に発表されたあとは、コーチがいる・いない関わらずキーパー練がある。


「ジュジュさん。」

 珠理は春世からボールを受け取る。

「ありがとう。」

 体育館の玄関側へ向かって、少し走った。

 ゆう乃がタイマーをセットしていた。それが終わると、

「ボール慣れ、五分。」
「はい。」

 手でボールを投げたり・・・軽く足でリフティング。
 珠理が昼休みやっていたことと同じ。


――あっ。――

 珠理がリフティングしてたら、ゴールキーパー以外のポジションが練習しているところまで飛んでった。

 珠理たちはバスケットボールのコートの線より外で練習している。

 コートの中に入り慌て拾う。

 まあ、まだ皆、監督からの説明を受けてたから、何事もなく済んだが。


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