〔完〕 うち、なでしこになるんだから
「今回登録の都合上申し訳ないが、実希と伊理安とこころを外した。
 かといって、三人もチームの仲間だ。もし選ばれたメンバーに何かが起こってもいいように、準備しているんだぞ。」

『はい。』

 外された三人は落ち込んでいる様子はない。当然だという顔をしている。
 実希と伊理安は中学から本格的にサッカー始めたし、こころは他の一年生の経験者に比べて経験が浅い。

「それと、レギュラーは決まっていない。
 普段試合に出るのが少ない人でも、どんどんアピールすれば必ず使う。
 みんな、練習の時から全力出すように。」

『はい。』

 珠理は正ゴールキーパーの地位であるが、決して安泰ではない。
 ここにきて春世というライバルが現れた。


――よし、がんばるぞっ!――


「では、(ゴール)キーパーは別メニューで。
 珠理、これを見て指示しろ。」
「はい。」

 珠理は紙をもらった。

 しばらく読んでから・・・。

「各自ボール持つように。」
「はい。」

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