クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


「あの、ホントに気にしないでね!?あたし自身も気付かなかったし!

それに熱中症です~って言ったら熱中症になるなんて、逆にスゴいよね!本当に言霊ってあるんだね!あたし何か感動しちゃったよ」



身を乗り出して興奮気味に話していると、顔を上げた山田くんが、眉を下げながら小さく笑みを零した。




「…ふっ。なにそれ。さすがあんただね」





…っうあぁぁ…うあぁぁぁ~…。


だ、ダメだダメだダメだ。これはダメだ。


弱った笑顔とか可愛すぎます。力無く笑うとか可愛すぎます。


あー…母性本能が疼いております、ハイ。



「…や、山田くん」


「…ん?」


「……ぎゅ、ぎゅーっと…して、い、いいですか?」



俯き真っ赤になりながらも何とか言葉を繋ぐと、山田くんは一瞬大きくした目を細くして、微笑んだ。



「…やだ。」


「うえっ…!!?」



ま、まさかの拒否…!

想定外の返答にあからさまにショックを受けていると、山田くんが両手を広げてあたしを見た。




「…俺、抱き締める方が好きだからさ」


「……っ」


「…来て欲しいかな」


「…う…うあ~…ぬお~…っ!」


「何その声(笑)」


「…い、いやいやいや…山田くんが誘惑してる…っ」


「誘惑って(笑)」


「……あ、あの」


「何?」


「…飛び込むタイミングを見失いました…」


「…ぶはっ!」



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