クールな彼が好きすぎて困るんですが!!


山田くんが吹き出して、それと同時に引っ張られた腕はあたしを山田くんの腕の中へ納めた。


スッポリ、まさにそんな感じだ。




「……ッ」


「…ガチガチだし」



耳元で山田くんの笑う声が聞こえる。


なんか、恥ずかしいな。緊張してんのバレバレ?



「……あんたってさ」


「は、はい?」


「……ほんと、小っちゃいよね」



……!?

ハッとして視線を下へズラす。


まだ、水着にパーカーの状態だ。(山田くんは普通の服になってるけど)



……もしかして、胸が小っちゃいってこと……!!?




「…ご、ごめんなさい!色気の無い胸してて!」


「…………、……はい?」


「いやあの、わ、わかってるんだけどね!?どうしようもなくてね!?お腹とか足とかそういういらない所ばっかり肉ついて、胸にはちっともついてくれないんですよ!!で、でもあたし頑張って痩せるから、お願いだから嫌いにならないでほし……っ」


「…あんた、馬鹿でしょ」




ガーーーーーーーンッ。


え?あたし今馬鹿って。馬鹿って言われましたよね?馬鹿って。


……なんで!!?




「…俺は胸がどうとかって意味じゃなくて、あんた自体が小さいって意味で言ったんだけど」


「……へ?」


「…何かもう、これ以上強く抱き締めたら細くて折れそう」




はぁーって長い溜め息が、あたしの肩に頭を乗せた山田くんから聞こえる。


……ほんとうに……?


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