Alice-浮気女の決意-
目的もなく街を彷徨ったあと、あたしは小さな喫茶店に寄った。
木造で少し古い感じだけど、お洒落なお店だ。
前から寄ってみたかったけど、なんとなくタイミングを逃していた。
カランコロン、って可愛い音が鳴って足を踏み入れると、どこか懐かしい香りが鼻を掠めた。
歩くと少しギシギシ床が鳴り、お店のマスターが出てきたドアからはギィーっと耳を塞ぎたくなるような音が出た。
少し髭を生やしたおじいさんはあたしに軽く会釈すると、定位置であるカウンターに着いた。
あたしも会釈仕返し、すぐ傍のカウンター席に座った。