忘却
「ゆずちゃーん」



正面の人ごみから手だけがヒラヒラと見えた。



「え…?」




「ゆずちゃーーーーーーんんん!!!」




変わらず呼ぶ声と、



近くにくるに連れて分かる輪郭。





「工藤さん!?」


「ゆずちゃん!」





懐かしい顔だった。

工藤さんは、はぁはぁと肩で息をして、顔を上げる。



「良かった!この電車じゃないかと思ってたんだ。」



「え…?どうして…ですか?」



「埼玉の方から連絡をもらってね、コレじゃないかと。」






グッと親指を立てて私に笑う。  



「ありがとうございます」



その姿に私は少し笑いながらお礼を言った

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