先輩の愛で溶けちゃう -夏休み短編-
「待って、先輩!」
「あ?」
振り向いた先輩に、駆け寄った。
私を待つ速水先輩の優しい笑顔は、昔の太一兄ちゃんと同じだった。
「私、速水先輩の後輩になれて良かったです」
「何?それ。普通の後輩ぶってんの?彼女なのに」
「あ、でも。後輩ですし」
「はいはい。わかったよ。ちゃんとわかってるって」
廊下を歩いて行く速水先輩の後ろ姿をじっと見つめているうちに、涙が溢れてきた。
ここで会えるのもあと少し。
引退の後は、卒業が待っている。
大好きなこの中学に、速水先輩がいなくなるんだ。
って、そんなセンチメンタルになっている場合ではないのです。
引退セレモニーの準備頑張らないと!!
私は、2年代表としていろいろ準備に忙しかった。1.2年が中心になって曲目を決め、演出も考えることになった。