神様修行はじめます!
「り、お・・・」

うっすらとしか開かない両目で、じー様があたしを見た。


「うん! 里緒だよ! じー様しっかりして!」

あたしは、じー様の痩せた肩にすがるように身を乗り出して、耳元で叫んだ。


「りお。来て、くれたか・・・」

「じー様!」

「最期に、お前に、伝えたい事がある・・・」

「そんな最期なんていわないでよ!」

「間に合って、良かった・・・」

「やだ! じー様ぁっ!」


小さい頃、あたし達はいつも一緒だった。

たった一人の孫だったあたしを心底可愛がってくれたじー様。


『目の中に入れても痛くない』って、いつも言ってくれてた。

物騒なご時世だからって、護身術まで教えてくれた。


あたしの『里緒』って名前をつけてくれたのも、じー様だった。


じー様、じー様・・・。

お願い、じー様! 元気になって!
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