神様修行はじめます!
死なせてしまった。

殺してしまった。

あたしが・・・殺した。


泣きわめき続けるあたし。

じー様はあたしを抱き寄せる。

あたしの胸の上にそっと手を当てた。


そして、難しい言葉を呟き始める。


『深海の底に沈む・・・、苦痛と恐怖の息にて危ぶまれし時・・・』


何を言ってるんだろう?

難しくてよく分からない。


あたしはじー様の言葉を聞いた途端、急に眠くなってくる。

眠くて眠くて・・・

じー様に抱きついて、うとうとし始めた。


『息子が継がなかったと知った時、この力も絶えたと思ったが・・・』


ぼんやりと聞こえる声・・・。


『里緒、じー様を許しておくれ』


あたしの頭を撫でるじー様の手の平・・・。


どうしてじーさまがあやまるの?

チョウチョを死なせたのは、あたしなのに。


あたしなのに・・・。



そして



あたしの記憶は閉ざされた。

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