GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
「ちゃんとした接待できなくてすまない…捺」



「…別に構わない…」



捺は俺の作った水割りを口にする。


カランとグラスの中の氷が揺れた。




「…無理な頼みばかり頼んですまない」


最後の立ち退き者たちが去れば、その場所には高層マンションが建つ。



「…捺は吉原をどう思う?親父は吉原の弱小店を買い上げて…新たに大手のチェーン店に対抗して店を改造するらしい」




「もとは遊郭だろ?…俺は風俗には興味はない」



捺は吉原の話には全く興味がない様子。
オードブルのから揚げに手を伸ばし、口にする。





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