君の隣で夢みた未来
あたしは眠い目を擦りながらリビングには顔を出さずに、脱衣所に直行した。


最近は起きたときはじんわりと汗をかいている。


今はそんな季節。


シャワーをざっと浴びて、体の水分をお気に入りのバスタオルにしみこませ、胸より少し短いくらいの髪をドライヤーに当てて乾かす。


髪は生まれてから一度も染めたことがない。


真っ黒なストレート。


あたしの唯一のチャームポイントだ。


顔は可愛くもなければ美人でもない。


華やかさなんかない。


なるべくなら鏡なんて見たくない。


ある程度乾いたら、急いでリビングへと向かう。


ダイニングテーブルにセットしてあるあたしの朝食。


スクランブルエッグにプチトマト、それとトーストが1つのお皿に乗っている。


あとは蜂蜜が垂らされたヨーグルト。


それとグリーンサラダがそれぞれの控えめな器にセットされていた。


これが、あたしの定番の朝食。


< 116 / 496 >

この作品をシェア

pagetop