君の隣で夢みた未来
「ありがとうございましたー!」



店員の元気な挨拶を背中に浴び店を出た。


少し飲みすぎたのかもしれない。


脚に上手く力が入らない。


なんだか、ふわふわしている。



「御馳走様でした」


「急に呼び出して悪かったな」


「ううんー。楽しかったから問題ない!」


「本当か?」


「本当だってば!」



いつもより少しだけゆっくり歩いてくれる翔。


お酒の所為なのか、よくわからないけど心も体もとても軽い。


翔と友達でよかった。



「じゃ、俺、駅こっちだから…」


「知ってる。駅まで送る」


「いいよ。駅前あぶねーから」


「大丈夫ですよ。翔ちゃんが心配するようなことは何もない!」


「酔っぱらってんなぁ~」



そう言ってくすくす笑う翔の声が居心地がよかった。


階段をたんたんたんと上り、改札前まで翔を見送る。



「じゃ、気を付けて帰れよ。家着いたら連絡しろな?」


「はーい」


「寄り道すんなよ?」


「それはどうかな?」


「まぁ、とにかく家着いたら連絡しろな?」


「わかった!翔ちゃんも気を付けてね。バイバイ」



翔は小走りをしながら手を振りホームへと向かった。


私は、携帯を取り出し、まだ読んでいないメールを開いた。


翔と一緒だった時に来たメールだ。



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