キミの前に夕焼け

｢｢｢キャーッ｣｣｣



第１中が活躍する度に聞こえる、黄色い声。


第２中のバスケ部は、尋常じゃないアウェー感。


…自分たちの学校なのに。



次々と点を入れる、颯くん達。



圧倒的勝利で、試合は幕を閉じた。




ていうか、颯くん、前よりうまくなったような…？



｢颯くん達、めっちゃうまくなってない！？
いっぱい練習したんだろうね～｣



桃もはしゃぎながら言っている。


やっぱりそうだよね。



第２中には、勝ち目無かったもん。





｢天野｣



不意に名前を呼ばれ、振り向くと先生がいた。




｢あ…｣



また何か言われる、
そう覚悟していると。




｢…悪かったな。何も知らないのに、悪く言って｣



｢…へ？｣




｢あのプレーは、努力しないとできない。
チャラチャラしているわけじゃなかったな。
第１中の綾崎は｣



｢っ……｣



颯くん、伝わったよ。


わかって、くれたよ…。



そうでしょ、素敵でしょ？



颯くんは、素敵でしょ？