横で眠る「あなた」【未完】
第109章
次の日、大学で瑞穂に昨日の明の誕生日会の話をした。

「瑞穂がいれば、もっと良かったよ。」と言った私に、瑞穂は「ねえ。本当に百合子と明と理先輩と恵理子の4人だったの?」と聞いた。
「うん。そうだけど?」と言うと、瑞穂は、頭を抱え出した。

そして、「それって、修羅場じゃない。」と言う。
「修羅場?」と私は、訳が分からず瑞穂に聞いた。

だって、昨日のあのレストランの様子のどこに修羅場があるというのだろう?

確かに、レストランから帰る時に、それぞれをどう送るかでちょっと揉めた。

百合子は、自分を最後に送って欲しいと主張したけれど、理先輩に「自治会の仕事があるんでしょ?」と却下されて、明と百合子が家が近いという事で一緒に下された。

「明、百合子をちゃんと送ってやって。」という言葉をかけていたっけ。

そして、理先輩は私を家の前まで送ってくれた。

これだって、「修羅場」という言葉には、似つかわしくないと思うんだけど?

すると、瑞穂は「あのね、明は百合子が好きなの。で、百合子は、理先輩が好きなのね。」と言った。
これで、私もこれは昨日の状況はかなりヤバイ状況だったと理解した。

瑞穂の話はまだ続いた。
「理先輩は、恵理子が好きなのよ。だから、昨日の状況は、とんでもなく修羅場なわけ。」と言う。

瑞穂は、「何で家の前まで理先輩が恵理子を送ったと思ってるの? ただ、心配なだけじゃないのよ。 恵理子の家を知りたかったの。」と言う。

「きっと、恵理子が百合子を誘った時に、理先輩の計画を恵理子は、少し壊したんだと思うよ。 でも、最終的には恵理子と2人きりと初めの目標に持ち込んだわけだけどね。」と笑う。

瑞穂がいう事が、本当なら溜息しか出ない。

そして、私は、もっとちゃんと理先輩の気持ちに向き合わなきゃいけないって事?


答えなんて、決まってるのに。


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