横で眠る「あなた」【未完】
第12章
理先輩たちが高等部に入学し、恵子や私は、中3になった。
頭ではわかってはいても、やっぱり先輩たちのいない学校は、寂しい。
でも、最高学年の私たちが、学校を引っ張っていかなければいけないところもあるから、寂しいばかりも言ってはいけない。

「お休みの日は、デートしよう。」と言われてる私は贅沢なんだと思いなおしたりして、顔が見れない寂しさを紛らせていると、恵子に「理先輩のこと考えたでしょ?顔がニヤケてるよ?」とからかわれる。

そして、放課後、先輩たちはもういないのに相も変わらず工芸室に足を向けてしまう私と恵子。
習慣って、本当に本当に恐ろしいって思った。

工芸室に着き、足を踏み入れた時に予想もしていなかった顔を見た。
理先輩と奏先輩が、そこにいた。
恵子も予想をしていなかったらしく驚きの声を上げている。
奏先輩が、にこやかに「理が、恵理子ちゃんに会いに行きたいけど、さすがに中等部に一人に行くわけ行かないからって、僕を誘ったわけ。」と答えた。
恵子は「なるほど。奏先輩は部活は大丈夫なの?」と聞いている。
奏先輩は「まだ、大丈夫。部活始まったら僕は来れないから、その時は誰か信用できるヤツと来ると思うよ。」なんて話してる。
私はあまりびっくりして、理先輩とも何にも話してないのに、奏先輩と恵子は関係いみたい。

理先輩が、ようやく「びっくりしすぎた?」と聞いてくれた。
「はい。今日会えると思わなかったし、まさか中学でとも思わなかったから。」と言うと、「びっくりさせたかったんだ。」と理先輩は言った。

私が「先輩は、部活は入らないんですか?」と聞くと理先輩は「僕は自治会に入るつもりだからね。部活には、入らない。」と答えた。

高等部からの自治会は、職員会議と同じ力を持つと言われている。
そのメンバーに選ばれるには、成績・人柄の他にうちの学校独特の基準として、家柄(これを嫌う人は、いた。)が必要になった。
私立だったので、芸能人の子供とか、芸能人だとか、子役とかいたけど、それだけでは、自治会メンバーに選ばれる基準ではないらしく、そのよう人から選ばれた人は今までいなかった。

その自治会に入るつもりという理先輩。
理先輩って一体、何者?
やっぱり、私の知らない理先輩がいるような気がしてきた。


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