横で眠る「あなた」【未完】
第46章
実は、入学当初から、イジメにあった。

靴を隠されることはなかったというのは、高等部は、校内に靴で入る学校だった。
これは、良かったと思う。

しかし、ノートは1日で落書きにあう、教科書も破られる、お財布はすられという毎日だった。

カバンは、肌身離さずが、身についてしまった。
しかも、階段からは、いつ突き落とされるかわからなかった。

先生に相談したところで、人によっては身の程知らずが、つきあったりするからとなる場合もあるから、簡単には相談できなかった。

理先輩やほかの先輩たちには、迷惑をかけたくなかった。
だから、相談はしなかった。

保健室から出て来たら、恵子に出会った。
「最近、頻繁に保健室行くよね?」と言う。
「今日は、何の用?」と言う。
「ドジだから、転んで怪我。」と言うと「ふ~ん。怪我多いね。」と言う。
そして、「恵理子、私にも言えないの?」と言う。

私は、もうダメだと思って。
「先輩たちには言わないで。ずっと、イジメがある。」
「突き落とされたり、ノートがダメにされたり、教科書も。」と言うと。

恵子が、抱きしめてくれた。
「辛いでしょ? もっと早く言ってよ。」
「一緒に泣くことしか今はできないかもしれない。 でも、糸口見つけよう。」って言ってくれた。

自分ひとりで頑張らなくてもいいって、それだけで私は安心できた。
< 47 / 137 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop