横で眠る「あなた」【未完】
第8章
後夜祭も終わり、奏先輩と恵子。
そして、理先輩と私の4人で駅まで戻ってきた。
そこで、先輩たちの友人に偶然会った。
その友人たちは、これからファミレスに行くらしい。

奏先輩が、「恵子たちもおいでよ。」と誘ってきた。
恵子は、「お邪魔じゃないですか?」と聞いてはいるけど、行きたくて仕方ないそんな顔をしている。

先輩たちは、「男ばかりじゃ華ないじゃん。おいでよ。」とか言ってる。
恵子が、「どうする?」と聞いてきた。
「家に電話いれてみて、大丈夫なら。」と答えた。

そんな私を、先輩の友人たちが「箱入り?」とか言ってきた。
そういうわけじゃない。通学にちょと時間がかかるのと初めての子だから親が神経質になるだけ。
そう答えようとしたら、理先輩が「からかうなよ。困ってるだろ。」と言った。
その言葉で、先輩の友人たちが、謝ってくれた。

あまり遅くならないならとファミレスに行くことを許して貰った。
ファミレスに向かって歩きだすと、先輩の友人たちは固まって何やら楽しそうに話しながら歩いている。

奏先輩と恵子は、何故か肩を組んで歩いてるし。
「フォークダンスと一緒で、身長差があまりないと男の方が結構つらい試してみる?」とか言いながら、私の返事を聞かずに肩を組んだ。
肩まで組む仲の女の子がいるんだとこの時に知った。
それは、気になる子なのだろうか?
肩まで組めるのに、その子の気持ちはわからないってどういうことだろう?

そんなことを考えていたら、「ねえ。話きいてる?」と理先輩に声をかけられた。
何か話かけられてたんだ。気がつかなかった。
「ごめんなさい。ぼっとしてました。」と謝ると「別にいいよ。ただ大事な話だから良く聞いて欲しい。」
「僕とつきあってくれないか。きみの返事が欲しい。」

先輩のことばに思考回路がついていかなくなった。
つきあうって、彼女としてってことだよね? 先輩には気になる子がいるんじゃないの? 肩を組めるほどの仲の子も。
なのに、私とつきあう?
からかわれてるのかな? きっとそうだ。そう結論づけた。
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